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ジェンダーレストイレは何が問題?メリット・デメリットと事例や現在を解説

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ジェンダーレストイレとは、性別に関係なく利用できるトイレのことです。ジェンダーレストイレの設置は、性的マイノリティや介助が必要な人など、トイレに困っている人たちのための配慮として推進されています。

しかし、ジェンダーレストイレについてはメリットだけでなく、デメリットや問題も近年大きく取り上げられています。この記事では、ジェンダーレストイレのメリット・デメリットと現在の状況・性被害との関連性についても解説します。

ジェンダーレストイレについて

ジェンダーレストイレの定義

ジェンダーレストイレとは、男性・女性・その他の性自認に関係なく、誰でも利用できる個室型のトイレのことです。このようなトイレは、性的マイノリティや障害者、子どもを連れた親など、従来の男女別トイレでは不便や困難を感じる人々にとって有用であり、多様性や包摂性を尊重する社会の一環として提案されています。

参照:すべての人が安心して使えるパブリックトイレとは?

ジェンダーレストイレが出来た理由・背景・メリット

ジェンダーレストイレが出来た理由・背景には、以下のようなものがあります。

  • 性別にとらわれない人や、外見が社会的なジェンダー規範に当てはまらない人が、男女別トイレを利用する際に不安や危険を感じることがあるため。
  • バリアフリートイレが混雑し、必要としている人が使いづらくなっているという課題を解消するため。
  • 性別の観点からバリアフリートイレを使っていた人が、オールジェンダートイレを使うようになれば、バリアフリートイレの混雑は和らぎ、そのほかのバリアフリートイレを必要としていた人にとっても利便性は高まるため。
  • ジェンダー意識の高まりを背景に、海外で導入の動きが広がり、日本でもオリンピック・パラリンピックをきっかけに設置が進んでいるため。
  • ジェンダーレストイレは、性的マイノリティの人々だけでなく、異性介助や乳幼児連れなど多様なニーズに応えることができます。また、社会に深く根付く性別二元論やジェンダー規範など、人を傷つける概念に疑問を投げかけることもできます。ジェンダーレストイレは、インクルーシブな社会を作っていく上で重要な役割を果たすと考えられます。

参照:オールジェンダートイレはなぜ必要なのか?

みまもるコラム編集部
みまもるコラム編集部

実は日本にもジェンダーレストイレを設置している施設はあります。

日本でジェンダーレストイレを設置している施設

日本でジェンダーレストイレを設置している施設はまだ少ないですが、以下の施設があります。

  • 成田空港第1ターミナルビルでは、ユニバーサルデザインの一環として、異性介助やトランスジェンダーの利用を想定したオールジェンダートイレを整備しました。男女別トイレの間にオールジェンダートイレを配置し、利用者が選べるようにしました。
  • 鳥取大学では、2020年に鳥取キャンパスの広報センターと附属図書館1階にオールジェンダートイレを設置しました。これは、性的マイノリティの理解を深めるセミナーで「性別を区分しない全個室のトイレが欲しい」という意見があったことを受けたものです。
  • 株式会社ドン・キホーテは、2017年に渋谷区にオープンした渋谷本店においてオールジェンダートイレを設置しました。渋谷区では、ダイバーシティをキーワードにさまざまな取り組みを行っており、その一環としてオールジェンダートイレが誕生しました。
みまもるコラム編集部
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ジェンダーレストイレは社会的に求められてきた背景があり、近年少しずつ作られてきたともいえますが、問題点も多くあります。

ジェンダーレストイレは何が問題?デメリット解説

性被害・性的暴行事件とジェンダーレストイレ

ジェンダーレストイレの問題点については、さまざまな視点がありますが、以下のようなものが挙げられます。

ジェンダーレストイレは、性的マイノリティの方々にとっては安心して利用できるトイレですが、一方で、異性と同じトイレを共用することに抵抗感や不安を感じる方もいるかもしれません。特に女性にとっては、男性に覗かれたり、声をかけられたりする恐怖や不快感を持つ可能性が高いです。

SNS上ではジェンダーレストイレについてたくさんの批判の声が上がっています。

真偽のほどは不明ですが、実際に事件が起きてもおかしくはありません。

参照:ジェンダーレストイレで、女性の髪を掴んで個室に連れ込む男

歌舞伎町タワーで問題になっているジェンダーレストイレ

また、歌舞伎町で建設された歌舞伎町タワーの中では、このような状況も見られています。下記のツイートに対して「歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレは犯罪の温床になるのでは?」といったリプが多く寄せられています。

女性にとってはトイレに入るのが非常に怖い状況でしょう。

LGBTとジェンダーレストイレ

ジェンダーレストイレは、多機能トイレや男女共用トイレとは異なり、LGBT専用のトイレという印象を与えてしまう可能性があります。これは、LGBTの方々にとっては逆に偏見や差別を招くことになりかねません。また、LGBTの方々以外にも、ジェンダーレストイレを必要とする方々がいることを無視してしまうことにもなります。

また、実際にLGBTであり有名なインフルエンサーの「かまたく」さんは、こんな発言もしています。

リプには様々な意見がありますが、「LGBT」を自称するアカウントからはジェンダーレストイレを否定している意見が多いです。

海外旅行者とジェンダーレストイレ

ジェンダーレストイレは、トイレのサインやマークによっても誤解や混乱を招く可能性があります。例えば、「ALL GENDER」という文字だけでは、海外の人にはわかりにくいかもしれません。また、「LGBT」という文字やレインボーマークなどは、LGBT専用のトイレと勘違いされる恐れがあります。さらに、「だれでもトイレ」という文字は、車椅子使用者や介助者などの優先的な利用を示すものと誤解される可能性があります。

みまもるコラム編集部
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デメリットや問題点は数多くあり、犯罪の温床となる可能性も高く感じられてしまいます。

まとめ

ジェンダーレストイレが社会的に出来た背景やメリット、問題点をこの記事では解説してきました。

問題点やデメリットが大きいように感じている人もSNS上では多いと言えるでしょう。

性のあり方が多様化する現代においては、「ジェンダーレス」が取り上げられる機会も多くなっていきます。

この記事を読んでいる方には性にまつわる被害「性被害・性暴力」について悩んでいる方もいるかもしれません。

悩んでいる方には相談窓口を、性被害について知りたい方には「どこから性被害なのか」解説している記事を下記にまとめました。ぜひ参考にしてください。

性被害はどこに相談すればいい?窓口で必要な情報と対処法を紹介【一覧】

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