リベンジポルノ被害に遭った方は、加害者に対して慰謝料や損害賠償を請求することができます。しかし、実際に慰謝料・損害賠償の請求方法が分からない方もいるのではないのでしょうか?
また、相場や示談金についても気になるところです。
この記事では、リベンジポルノ被害者が慰謝料・損害賠償をどのくらいもらえるのか、その相場や示談金についても解説します。
悩んでいる方は是非参考にしてください。
慰謝料=損害賠償ではない
損害賠償金=慰謝料だと考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし慰謝料と損害賠償は実は違います。になります。
慰謝料とは、損害賠償金の内の精神的苦痛をお金に換算した賠償のことを指します。
そして損害賠償は、治療費や修理費、慰謝料など、加害者に対して請求できる賠償金の全てを指します。 そのため損害賠償には意味合い的に慰謝料も含まれていますが「損害賠償=慰謝料」ではありません。
リベンジポルノ被害を受け、加害者と慰謝料を交渉する場合、「示談」「調停」「裁判」などが関わってきますが、それぞれに特徴があります。
難しい言葉が並んでいるように感じるかもしれませんが、分かりやすく解説しますので安心して読み進めてください。
リベンジポルノ被害で慰謝料はもらえる?

相手の身元がわかっている場合、慰謝料を請求することができます。
リベンジポルノ被害による慰謝料を請求する条件として、加害者の情報がわかっていることが前提となります。そのため、例えば元交際相手や知人、面識のある人からの被害だと確証がある場合は示談や調停、裁判を通して請求することができます。
SNS上での被害など相手の身元がわからない場合、必要な証拠や特定方法についてまとめましたので下記の記事を参考にしてください。
リベンジポルノ被害を相談するには?必要な情報と相談場所
上記でも出た通り、損害賠償金は示談・調停・裁判の3つの方法で請求することができます。
示談
示談とは「民事における紛争を当事者同士の話し合いによって解決する手続き」のことを言います。より簡単にいうと、「加害者が被害者間の話し合い」です。
一般的に弁護士を通しての示談がトラブルがなく、自分の状況が不利にならない等メリットも多いです。
当事者間での話し合いも可能ですが加害者と顔を合わせたくない、直接やり取りをしたくない被害者も多くいます。弁護士を通して示談をすることでスムーズに話し合う事ができるため、弁護士に依頼することをおすすめします。
調停
裁判官と調停委員からなる調停委員会で話し合います。こちらも同席を避けることができ、法律的な評価に基づいて解決のための話し合いを非公開で第三者を挟んで行うことができます。
こちらは手続きが比較的簡単で、費用も低額のため調停が終了するまで個人で行いやすいです。
しかし、調停へ出席する強制力がないため相手方が応じない可能性があります。
裁判
裁判には大きく「刑事裁判」と「民事裁判」があります。
「刑事裁判」で起訴する場合、加害者には法律に定めた刑罰を与えることができます。
「民事裁判」で提訴する場合、損害や財産に対して賠償を求めることができます。
したがって、損害賠償を請求することができるのは民事裁判のみになります。
こちらは個人から裁判所へ提訴することが可能ですが、事件性が高い場合被害者は刑事裁判・民事裁判の両方へ訴訟できる可能性があるため、法律に強い弁護士に相談、依頼することをおすすめします。
訴訟は調停と同じく裁判所で行われますが、話し合いではなく裁判官が公正な判決を下します。判決には法的な効力があるため、示談や調停が成立しない場合は裁判所へ提訴して請求するのが良いでしょう。
実際の慰謝料請求までの手順は、下記に分かれます。
- 示談の場合
- 民事調停の場合
- 民事裁判の場合
それぞれについて解説していきます。
慰謝料請求までの手順

示談、調停、裁判別の慰謝料請求までの流れについて解説します。
示談の場合
よくある例として、相手が慰謝料を払う代わりに被害者が「訴訟しない」、「第三者に口外しない」などの条件に応じる場合があります。
損害賠償額について相手が合意をした場合、示談書や合意書を作成します。この書類は当事者間で解決をした証拠となり、その後の生活を脅かされない予防にもなります。
ですが、これらはあくまで例です。
実際には、悪質な被害の場合やどうしても相手に制裁を加えたい時は、示談交渉と刑事告訴の両方を選択することも可能です。
非常に悪質な被害かつ証拠も揃っていて、完全に被害者に非がない場合、相手は反論の余地もないため、上記のように両方選択することが可能になります。
いずれにしても、まずはリベンジポルノ案件の示談に強い弁護士に相談するのが良いでしょう。
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民事調停の場合
リベンジポルノ被害の場合の民事調停での手続きになります。調停成立までの流れは以下の通りです。
- 1.申立て
- 2.調停期日の指定
- 3.当事者双方の呼び出し
- 4.調停期日
話し合いの結果双方が合意すれば調停成立となり、調停調書を作成します。
調停調書は裁判の判決と同等の強制力を持ちます。
不成立の場合、最悪結論が出ない状態で調停が終了する可能性があるので注意が必要です。
しかし、相手が調停に応じない又は話し合いの見込みがない場合、裁判所が解決案を示すこともあります。解決案に対して双方から異議がない場合、二週間後に調停成立となります。
民事裁判の場合
まず、訴訟のために訴状と呼ばれる書類を作成します。
訴状には証拠が必要となるため、記録を残しておきましょう。
証拠についての詳しい内容は以下の記事をお読みください。
リベンジポルノ被害は警察にどう相談すべき?絶対に必要な証拠を解説
訴状を裁判所へ提出した後、判決により損害の責任や賠償額が決まります。
民事調停と異なる点として、公開の法廷で行われる点と結論が必ず出る点が挙げられます。
どちらも裁判所で行われますが、良い点は裁判官が強制的に判決を下すため不成立の状態のまま終了することがないことです。さらに、弁護士に依頼することで被害者の精神的負担を減らすことができるのも良い点と言えるでしょう。
いずれにしても、まずは民事訴訟に強い弁護士に相談するのが良いでしょう。
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気になる慰謝料の相場を
1肖像権侵害に該当する場合
2名誉毀損に該当する場合
3プライバシー侵害に該当する場合
の場合に分けて解説します。
慰謝料の相場

主に肖像権侵害、名誉権侵害、プライバシー権侵害に該当する場合で考えられます。
肖像権侵害に該当する場合 10~50万円
肖像権侵害は、本人が許可していないのに勝手に顔や体を撮影され、みだりに公表されたりしない権利となります。
よくある例としては、パパ活や援助交際、風俗店などでホテルで性行為を盗撮され、アダルト動画サイトやアダルト動画販売サイトにアップロードされてしまうことなどです。
肖像権侵害は刑事罰を追及することはできないものの、民事での責任は発生しますので、このようなことがあった場合はまず弁護士に相談することをおすすめします。
名誉権侵害に該当する場合 10~50万円
インターネット上の名誉権侵害の場合、誹謗中傷や事実無根の情報などの不名誉な内容を不特定多数が見れる状況であった場合に該当します。
リベンジポルノに関しても同様で、ただ単に動画が拡散されてしまうだけではなく、それに対して事実無根のコメントやリプライをされることが多々あります。
その場合は名誉権侵害に該当する可能性があります。
名誉権侵害は場合によっては刑事罰を追及することも可能です(親告罪のため刑事告訴が必要)ので、まずは弁護士に相談し、相手方にどこまで追及したいのかをよく話し合う必要があります。
プライバシー侵害に該当する場合 10~50万円
上記と同じように、こちらも50万円以下が相場になっています。
プライバシーの侵害とは、知られたくない私生活の情報を勝手に他者に公開されることである。ネット上のリベンジポルノ被害の多くは肖像権侵害、名誉権侵害と同様プライバシー侵害に該当します。
被害者が未成年であったり、犯罪性が高い場合は事案によって数百万円以上の慰謝料を受け取れる可能性があります。
未成年でも弁護士に相談することは可能ですので、まずは焦らず弁護士の先生に聞いてみるのが良いでしょう。
実際のリベンジポルノ慰謝料・損害賠償の裁判事例

元AV女優の裏ビデオなどを無断掲載し慰謝料を請求
元AV女優の裏ビデオなどを無断掲載した事件について、元AV女優でタレントの澁谷果歩さんが制作会社などに損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしたことが報じられています1。澁谷さんは、自身の性器が映っている無修正動画がネット上に流出したことにより、名誉毀損やプライバシー侵害などの被害を受けたと主張しています。この事件については、慰謝料200万円が支払われた判決が出たこともあります。またこの裁判では訴訟の費用の8分の1を被告が負担、原告の弁護士費用は20万被告が負担するということになりました。
まとめ
慰謝料を請求するための方法として、示談・調停・裁判をご紹介しました。
弁護士を通した請求は個人からの請求よりも相手にとって脅威となる可能性が高く、元交際相手からのリベンジポルノ被害の多くは示談で解決傾向があります。
いずれの方法も個人で動くことができますが、法律に強い弁護士に依頼又は相談することをおすすめします。
心配な方は
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