Twitterで誹謗中傷を受けた場合、相手に対して法的な対処をするには、まず発信者の情報を開示してもらう必要があります。
しかし、発信者情報開示請求は、弁護士に依頼すると費用がかかりますし、自分で行うのと手間がかかるイメージがあります。
実際はどちらがおすすめなのでしょうか?
この記事では、Twitterの誹謗中傷で弁護士の費用はどれくらいかかるのか、自分で開示請求する場合と比較してメリットやデメリットを解説します。
Twitterの誹謗中傷の対処を弁護士に依頼する費用・流れ

誹謗中傷の対処を弁護士に依頼する費用
Twitterの誹謗中傷を弁護士に頼む際にかかる費用や相場は、一般的には以下のようになります。
発信者開示請求の費用
・着手金:10~20万円程度
・成功報酬:5~20万円
発信者情報開示請求とは、Twitterに対して誹謗中傷をした投稿者のIPアドレスやメールアドレスなどの情報を開示するように求める手続きです。
慰謝料請求の費用
20~30万円+勝訴した金額の15%~
慰謝料の請求には、誹謗中傷の証拠や被害の程度などを示す必要があります。
訴訟の費用
着手金50~100万円+勝訴した金額の15%~
訴訟とは、発信者情報開示請求や慰謝料請求に応じない場合や、慰謝料が不十分な場合に、裁判所に介入してもらう手続きです。
以上が、Twitterの誹謗中傷を弁護士に頼む際にかかる費用や相場です。ただし、これらはあくまで一般的な目安であって、弁護士や事件の内容によって異なる場合があります。
具体的な費用や相場を知りたい場合は、弁護士に直接相談することをおすすめします。

安くはない金額ですが、実際に弁護士に依頼する流れはどうなっているのでしょうか?
誹謗中傷の対処を弁護士に依頼する流れ

誹謗中傷への対処を弁護士に依頼する場合、主に次のような流れになります。
1.まず弁護士と相談して、誹謗中傷の内容や被害状況、解決方法などを確認します。弁護士は、誹謗中傷が刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪などに該当するか、民法上の名誉権やプライバシー権などの侵害になるか、などを判断します。
2.弁護士は、誹謗中傷をした相手(発信者)を特定するために、「発信者情報開示請求」という手続きを行います。これは、誹謗中傷が書き込まれたサイトやSNSの運営者に対して、発信者のIPアドレスやメールアドレスなどの情報を開示するように裁判所に申し立てることです。
3.発信者が特定できたら、弁護士は、発信者に対して、「削除請求」や「損害賠償請求」、「刑事告訴」などの法的手段をとります。「削除請求」とは、誹謗中傷の書き込みを削除するように発信者やサイト運営者に要求することです。「損害賠償請求」とは、誹謗中傷によって受けた精神的苦痛や経済的損失などを金銭で賠償してもらうことです。「刑事告訴」とは、発信者を刑事罰(懲役や罰金)に処するように警察や検察に申し出ることです。
4.弁護士は、加害者と交渉したり、裁判所で争ったりして、誹謗中傷の解決を目指します。解決方法はケースバイケースですが、一般的には、書き込みの削除や訂正、謝罪文の掲載、慰謝料や弁護士費用の支払いなどが含まれます。

かなり多くの法的手続きを代行してくれますが、自分でやるとしたらどのような手続きを行う必要があるのでしょうか?
Twitterの誹謗中傷への対処を自分でやる方法

Twitterへの誹謗中傷への対処を自分で行う流れ
もし、Twitter社から削除や凍結などの措置が取られなかった場合や、発信者が別のアカウントで再び誹謗中傷を行った場合は、 発信者情報開示請求 を行いましょう。
これは、裁判所に申し立てて、発信者のIPアドレスやメールアドレスなどの情報をTwitter社やプロバイダ事業者から開示してもらうことです。
流れを簡単に書くと下記です。
1.誹謗中傷されたあらゆる証拠を揃え保管します。
2.サイト管理者に対して発信者のIPアドレスの開示を求める仮処分命令申立てを裁判所に行います。
3.開示されたIPアドレスをもとにプロバイダ事業者に対して発信者情報の開示を求める訴訟を裁判所に起こします。
手続きを行う上で用意するものとしては
申立書:開示請求の内容や理由を記載した書類です。裁判所のホームページからダウンロードできる様式に沿って作成します。
証拠書類:誹謗中傷のツイートや発信者のアカウント名、日時などをスクリーンショットで保存したものや、誹謗中傷による被害状況を証明するものなどです。
といったものが挙げられます。
簡単そうに見えますが、実際に自分で開示請求を行うのは大きな手間がかかり、開示請求の通りやすさも変わってきます。
また、相手に対しての法的措置(慰謝料の請求等)を行う際にも多くの手続きがあるため、自分で誹謗中傷の対処をするより弁護士へ依頼した方がよい結果を生むことが多いです。

誹謗中傷への法的対処を自分で行うのが難しい理由を解説します。
誹謗中傷への法的措置が自分では難しい理由
開示請求の通りやすさ
自分で開示請求を行う場合と弁護士に頼んで開示請求を行う場合は、通りやすさに違いがあります。
自分で開示請求を行う場合は、書類の作成や提出などの手続きに不慣れであるため、ミスや不備が発生する可能性が高いです。また、裁判所に対して開示請求の内容や理由を十分に説明できない場合もあります。これらのことが、開示請求の却下や遅延の原因になることがあります。
被害の拡大を防ぐためにスピード感を持って開示請求を行いたい場合、大きなリスクになるでしょう。
もし弁護士に頼んで開示請求を行う場合は、弁護士が書類の作成や提出などの手続きを代行してくれるため、ミスや不備が発生する可能性が低くなります。また、弁護士は法律の専門家であるため、開示請求の内容や理由を適切に説明できます。
開示請求が通りやすく、スピード感がある対処ができます。
必要な書類の用意
開示請求に必要な書類(申立書・証拠書類・訴訟委任状)の作成には、法律の知識や用語が必要です。書類に不備やミスがあると、開示請求が却下される可能性があります。
開示請求に必要な手続き(裁判所への提出・相手方への送付・回答期限の確認など)は、時間や労力がかかります。手続きに遅れやミスがあると、同じく開示請求が却下される可能性があります。
また、開示請求は、同じ発信者に対して同じ内容で何度も行うことはできません。開示請求が却下された場合や、開示された情報が不十分な場合は、再度開示請求を行うことができますが、その際は新たな証拠や理由を提示する必要があります。
自分で行うのは時間がかかり、知識も必要なため現実的でない場合が多いでしょう。

誹謗中傷を弁護士に頼む際のメリット・デメリットをまとめます。
Twitterの誹謗中傷を弁護士に頼む際のメリット・デメリット

Twitterの誹謗中傷を弁護士に頼むメリット・デメリットを解説します。
誹謗中傷への対処を弁護士に頼むメリット
誹謗中傷への対処を弁護士に頼むメリットとしては下記が挙げられます。
- 弁護士は法律の専門家であるため、Twitterの開示請求や削除依頼の手続きをスムーズかつ高い可能性で行うことができます。自分で行う場合は、書類の作成や裁判所への提出などに時間や労力がかかりますし、ミスや不備があると開示請求や削除依頼が却下される可能性もあります。
- 弁護士は裁判所やTwitter社、プロバイダ事業者との交渉に慣れているため、相手方に対して強い姿勢で臨むことができます。自分で交渉する場合は、相手方に対して不利な条件を飲まされたり、無視されたりすることもあります。そういった際に対処してもらうことでリスクを回避できるでしょう。
- 弁護士は誹謗中傷の発信者を特定した後、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置を取ることができます。自分で行う場合は、発信者の特定だけでも困難ですし、その後の対応も難しいです。
次に、デメリットについて見ていきます。
誹謗中傷への対処を弁護士に頼むデメリット
Twitterで誹謗中傷への対処を弁護士に頼むデメリットにを以下にまとめます。
- 弁護士に依頼する場合は、弁護士費用が発生します。弁護士費用はケースによって異なりますが、最低10万円以上はかかります。また、開示請求や削除依頼が成功したとしても、弁護士費用を加害者から回収することは難しいケースが多いです。
- 弁護士に依頼しても、裁判所や相手方の対応によっては開示が数ヶ月から数年かかることもあります。また、発信者の特定や損害賠償請求などの法的措置を取る場合は、さらに時間もかかるでしょう。
- 弁護士に依頼するためには、誹謗中傷の内容や被害状況などを詳しく伝える必要があります。弁護士は守秘義務を負っていますが、それでも自分のプライバシーを他人に知られることに抵抗がある方もいるかもしれません。
以上がTwitterで誹謗中傷への対処を弁護士に頼むデメリットです。メリットとデメリットを比較して、自分にとって最適な方法を選択することが大切です。

メリット・デメリットはありますが、スピード感を持って誹謗中傷への対処を行いたい場合には弁護士へ相談するのがおすすめです。
まとめ
この記事ではTwitterの誹謗中傷の対処を弁護士に依頼する際の費用について紹介しました。
実際のTwitterでの誹謗中傷の事例を知りたい方は下記の記事で「違法になるツイートや事例・判例」をまとめたので参考にしてください。
また、誹謗中傷になる言葉に関して知りたい方は下記の記事で「訴えられる基準・例文と具体例」について解説していますのでぜひ参考にしてください。
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